ローン中の家は売れる?基本の仕組みと条件
住宅ローンが残った状態で家を売ることは可能ですが、いくつかの条件を満たす必要があります。抵当権に関する知識に加え、売却価格とローン残高の関係性などを理解することも必要です。
家を売るときによく聞かれる抵当権とはどんな権利なのか、売却できるかどうかを判断するためのポイント、アンダーローンとオーバーローンなどについて解説していきます。
抵当権とは?売却に必要な抹消の条件
抵当権とは、住宅ローンを借りる際に金融機関が家を担保に設定する権利のことです。具体的には、金融機関が貸付金を回収できないと判断したときに、金融機関が家を売却できる権利のことを指します。
ローン中の家を売却するためには、抵当権の抹消に関する金融機関の同意が必要です。抵当権抹消の条件には、ローン残債の一括返済が設定されているケースが一般的です。
そのため、売却価格がローン残高を下回るか、売却価格で一括返済できない場合は、自己資金で不足分を補填できるかが鍵となります。
例えば、ローンの残債が3,000万円である一方、家が2,800万円でしか売れなかった場合は、不足分の200万円を自己資金で補わなくてはなりません。または、買い替えローンなどの利用が必要です。
売却可能か判断する3つのステップ
ローン中の家を売却できるかどうかを判断するためには、以下3つのステップが必要です。
ステップ1:ローン残高を確認する
まずは、自分の住宅ローン残高を把握する必要があります。ローン残高を把握するためには、金融機関から送られてくる「返済予定表」や「残高証明書」を見るのが確実です。もし残高証明書などを手元に控えていない場合は、借入先の金融機関に問い合わせれば再発行を依頼できます。
ステップ2:家の売却価格を査定する
ローンの残高を確認できたら、家がいくらで売れるかを確認します。不動産会社に家の査定を依頼すれば、売却価格の目安をつかめます。なお、複数の不動産会社に査定を依頼すれば、より正確な相場を把握できるでしょう。
査定には机上査定(簡易査定)と訪問査定がありますが、机上査定はデータを参照して算出した想定価格です。より正確な価格を把握するためには訪問査定を受けることが必要です。
ステップ3:ローン残高と家の売却価格を比較する
最後に、ローン残高と家の売却価格を比較します。家の売却価格がローン残高を上回っていればローンを完済できる上に、諸経費などを支払ってもお金が余れば、利益にすることも可能です。
一方で、家の売却価格がローン残高を下回っている場合は、家を売るだけではローンを完済できないため、不足分を補う対策が必要です。
アンダーローンとオーバーローンとは
アンダーローンとは、売却価格がローン残高を上回る状態のことを指します。この場合は、売却価格でローンを完済可能です。例えば、ローン残高が2,500万円で家の売却価格が3,000万円だった場合は、差額の500万円が手元に残ります。アンダーローンの状態であれば、売却を進める上で特別な問題はありません。
一方で、オーバーローンとは売却価格がローン残高を下回る状態を指します。例えば、ローン残高が3,000万円で売却価格が2,500万円だった場合は、不足分の500万円を別途工面しなければなりません。
なお、オーバーローンの場合は絶対に家を売れないというわけではなく、住み替えローンや任意売却といった方法を活用することで売却も可能です。ただし、それぞれにメリットとデメリットがあるため、それぞれの方法について正確に理解した上で、最適な方法を選ぶことが求められます。
オーバーローンでも売却できる!選択肢と対処法
繰り返しになりますが、オーバーローンとは、家の売却価格がローン残高を下回る状態のことです。オーバーローンの場合は、売却代金だけでローンを完済できないため、追加の対策が必要です。一見すると、オーバーローンの家は売却が難しいように感じられるかもしれませんが、実際には複数の解決策があります。
考えられる解決策の一つは、自己資金で不足分を補填するというものです。そのほか、住み替えローンを活用して次の住まいを確保する方法、さらには任意売却という選択肢もあります。ここからは、オーバーローンの状態でも家を売却するための選択肢について具体的に解説します。
自己資金で補填する方法
オーバーローンの状態に対するもっともシンプルな解決策は、自己資金で不足分を補填する方法です。例えば、ローン残高が3,000万円で売却価格が2,500万円の場合は、不足分の500万円を預貯金やそのほかの資金で補うことになります。
この方法のメリットは金利などの負担がないことです。しかし、あらかじめまとまった資金を用意する必要に迫られます。
なお、資金が不足している場合でも、金融機関から無担保ローンを借りて対応できるケースもあります。ただし、無担保ローンは高金利に設定されているものが多いため、利用については慎重な検討が必要です。
住み替えローンを活用するメリットとデメリット
住み替えローンとは、売ろうとしている家の住宅ローン残高と、新しく購入する家の購入費用を一本化して借り入れられるローンのことです。住み替えローンを利用すれば、手持ち資金が不足している場合でも家を買い替えられます。
住み替えローンを利用するメリットとしては、ローンを一本化することで毎月の支払いを整理しやすくなる点や、新居購入時の資金計画を立てやすい点などが挙げられます。また、もともと利用していたものより低い金利で新しいローンを組めれば、支払い金利を抑えられるでしょう。
一方で、住み替えローンを利用するデメリットとしては、結果的に借入額が増えるため審査が厳しいことや、毎月の返済額が増加するリスクなどが挙げられます。また、住み替えローンを利用できるのは、金融機関が提示する条件を満たした場合に限られるため、必ず利用できるとは限りません。
任意売却の基本と注意点
任意売却とは、金融機関の同意を得た上で、売却額がローン残高に満たない場合でも家を売却する方法です。主に住宅ローンの返済ができなくなった場合の手段として用いられます。
任意売却による売却価格は、競売による価格よりも高い点が主なメリットです。また、家の売却について近隣住民に知られるリスクも低いため、心理的な負担も軽減されます。
一方で、任意売却のデメリットとしては、金融機関の同意がないと進められない点が挙げられます。また、任意売却をしてもローン返済そのものが免除されるわけではありません。残債の返済については別途金融機関と相談することになります。
そのほか、任意売却は特殊な手続きや交渉を要するため、任意売却に慣れた不動産会社を見つける必要があります。任意売却による売却を進めたい場合は、とにかく早めに金融機関へ相談することが重要です。
売却の手順と成功のポイント
例えば初めて家を売却する場合などは「何から始めればいいのか分からない」「手続きが煩雑そう」と感じる方も多いでしょう。あらかじめ手順を理解した上で、必要な準備を整えておくことがローン中の家を売却する際のポイントです。
ここからは、ローン中の家を売るプロセスの全体像や、不動産会社を複数選ぶ理由、訪問査定を成功させるためのポイントなどについて詳しく解説します。
初めてでも安心!売却プロセスの全体像
ローン中の家を売却する場合は、以下6つのステップを踏んでいくことになります。それぞれに必要な準備を整えておくことで、売却を計画的に進められるでしょう。
不動産会社の選定と査定依頼
最初に最低3社ほど不動産会社を選んで、家の査定を依頼します。査定には簡易査定と訪問査定があるため、簡易査定の段階で不動産会社を絞るのが有効です。不動産会社を絞る際には、査定の根拠が論理的で明確かなどのポイントに着目するとよいでしょう。
売却価格の設定
不動産会社から受け取った査定を参考にしながら、適切な売却価格を設定します。
媒介契約の締結
不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3つがあり、どれを選ぶかがポイントです。
売却活動の開始
媒介契約を締結したら家の売却活動に入ります。内覧対応や広告掲載などをしながら購入希望者を募ります。不動産会社の担当者と話し合いながら販売戦略を練ることが重要です。
売買契約の締結
購入希望者が見つかったら売却条件を調整して売買契約を結びます。契約を締結する前に、契約書の内容をしっかり確認することが重要です。
引き渡しとローン返済
受け取った売却代金でローンを完済して、家を買主に引き渡します。抵当権の抹消もこのタイミングで行います。
複数の不動産会社に依頼する理由
家の売却を成功させるためには、最低3社など複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。依頼先が1社だけだと、その不動産会社が提示する査定額や販売計画が適正かどうか判断できません。複数社に査定を依頼することで、以下のようなメリットがあります。
査定額の比較が可能
依頼先が1社だけでは査定額が妥当かどうか判断できません。しかし、複数社の査定額を比較すれば、査定額の妥当性についても判断できるでしょう。例えば、ほかの不動産会社と比較して極端に査定額が高い・安いなどの場合は、査定額の根拠について確認することが必要です。
会社ごとの得意分野が見える
地域密着型の会社はそのエリアの市場動向に詳しいほか、地場の地主などと強いつながりを持っています。その一方で、大手の会社は広範囲にわたる広告力を持っています。自分の物件を売却するにはどちらが適しているのか考えましょう。
担当者の提案力を比較できる
査定額だけではなく、担当者の対応の質や人柄なども判断材料となります。家の売却活動は数カ月以上など長期間にわたるため、自分に合った担当者を選ぶことが重要です。
訪問査定で注意すべきポイント
売却価格を正確に把握するためには訪問査定を受ける必要があります。訪問査定では不動産会社の担当者が実際に物件を訪れ、建物の状態・設備や周辺環境、土地の特性などを詳しく確認します。
物件の清掃と整理整頓を行う
訪問査定では担当者が目視で物件を評価するため、売ろうとしている家が清潔で整理されていることが重要です。訪問査定だけではなく、買主が内覧するときの印象にも関わるため、室内をきれいに保ち、不要なものは片付けておきましょう。
修繕や補修が必要な箇所を確認
家が修繕を要する場合は、事前に対応しておくと査定額が上がる可能性もあります。あるいは修繕が難しい場合でも、そのままの状態を担当者へ正直に伝えることが重要です。不具合を隠しておくと、後々契約不適合責任を問われてトラブルになる可能性があります。
質問や交渉を積極的に行う
査定の理由や販売戦略については担当者へ積極的に質問しましょう。「なぜこの査定額になるのか」「販売計画はどのようなものか」などのポイントを明確にすることで、不明点や不安を解消できます。訪問査定は、ただ物件の価値を評価してもらうだけでなく、不動産会社の信頼性を確認する機会でもあります。
売却時にかかる費用と節税対策
ローン中の家を売却する際には、売却価格だけではなく、諸費用や税金などについてもあらかじめ把握しておくことが重要です。「想定外の費用がかかった」「譲渡所得税の申告漏れで追加負担が発生した」といったことになると、ローンを完済できなかったということにもつながりかねません。
また、家の売却には税金がかかりますが、節税対策を知っていれば、税金の負担を軽減して、より確実にローンを完済できるでしょう。
具体的に活用できる対策は、3,000万円特別控除や譲渡損失の繰越控除といったものです。ここからは、売却にかかる諸費用の詳細、節税のための特例活用法、譲渡所得税の計算例などについて解説します。
売却に伴う諸費用一覧
家の売却によって発生する費用は複数ありますが、主な費用は以下のとおりです。
費用 | 内容 |
仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料で、売却価格に応じて計算されます。上限は法律で定められており、「売却価格×3%+6万円+消費税」が一般的な計算式です。 |
抵当権抹消費用 | ローンを完済するための手続き費用で、司法書士に依頼するのが一般的です。費用は1~3万円程度となります。 |
譲渡所得税 | 不動産の売却益に対して課される税金です。家の所有期間や特例の適用有無などによって税率が異なります。 |
そのほかの費用 | 引っ越し費用や売買契約書に貼付する印紙代、場合によってはリフォーム費用などが発生する場合があります。 |
仲介手数料を安くしたいと考える人もいるかもしれませんが、仲介手数料をむやみに値切るのはおすすめできません。不動産会社にとって仲介手数料は大きな収入源であり、担当者のモチベーションを大きく左右します。
手数料を安くするよりも、手数料に見合った仕事をしてもらうことに時間や労力を割くほうが、最終的に満足のいく結果を得られるでしょう。
節税できる特例や控除の活用法
家を売却する際には特例や控除を活用することで税負担を軽減可能です。特に、以下3つの特例が広く利用されています。
3,000万円特別控除
マイホームを売却した場合は、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。適用条件として、売却前に本人や家族が住んでいたことが必要です。詳細な適用条件については国税庁のホームページや税理士に確認することをおすすめします。
譲渡損失の繰越控除
家の売却によって損失が発生した場合は、一定の条件を満たせばその損失を翌年以降の所得と相殺できます。なお、譲渡損失の繰り越し控除については、事業主ではないサラリーマンでも適用可能です。適用条件については国税庁のホームページをご確認ください。
軽減税率の適用
長期所有の不動産を売却した場合に、譲渡所得税率が軽減される特例です。長期所有とは、家を購入した翌年の1月1日から起算して5年以上家を所有している場合のことを指します。詳細については国税庁のホームページをご確認ください。
これらの特例を利用するためには、適用条件を満たしているか確認した上で、必要書類をそろえて翌年に確定申告を行うことが必要です。確定申告の受付期間は2月15日から3月15日までとなっています。
譲渡所得税の簡単計算例
譲渡所得税は、売却益に対して課される税金であり、以下の計算式で算出されます。
譲渡所得税=(売却価格-取得費-譲渡費用)×税率
取得費とは、家の購入価格や購入時にかかった諸費用を指しており、譲渡費用には仲介手数料やリフォーム費用などが含まれます。売却益が出た場合は、売却益に税率を乗じた金額が譲渡所得税となります。
ここで例を挙げて譲渡所得税を算出してみます。
- 売却価格:3,500万円
- 取得費:2,000万円
- 譲渡費用:200万円
上記の場合、譲渡所得は以下のとおりです。
3,500万円-2,000万円-200万円=1,300万円
短期譲渡の場合は
1,300万円×30%=390万円
長期譲渡の場合は
1,300万円×15%=195万円
売却後の生活設計と新たな住まい探し
家を売却した後は売却益を活用して新居を購入するのか、賃貸へ住み替えるのかをあらかじめ決めておく必要があります。また、引っ越しにも費用がかかるため、事前に見積もりを取って費用を把握することが重要です。
ここからは、売却益を次の家の購入に活用する方法や、賃貸へ移る際の注意点、引っ越し費用の目安などについて解説します。
売却益を次の家の購入に活用する方法
家の売却で得た利益を次の家の購入に活用する場合、売却益は主に新居の頭金として使用されることが一般的です。一方でほかの用途にも分けて計画しておくと安心です。
頭金を多めに入れておくことで新居購入の借入総額を減らし、新たな毎月のローン返済負担を軽減できます。なお、新居のローン利用にあたっては、頭金を多めにすることで審査に有利となることも多いものです。
そのほか、新居購入にあたっての仲介手数料・所有権登記費用・火災保険料を把握できていれば、より計画的に資金を使えるでしょう。また、緊急時の予備費としていくらか確保できていると理想的です。
資金計画を立てる際は、売却益の総額や新居購入にかかる全体の費用を把握し、優先順位を付けて配分することがポイントとなります。
賃貸への住み替えで失敗しないポイント
家を売却した後に賃貸住宅へ住み替える場合、物件選びや契約のタイミングに注意が必要です。
新しい住まいのエリアや広さ、設備を検討する際は、家族構成や通勤通学の利便性を考慮しましょう。また、家賃が収入に占める割合も把握しておくことが重要です。
さらに、家の引き渡し時期と賃貸物件の入居時期がずれていると、いったん仮住まいに移る必要があり、引っ越し回数もかさんでしまいます。
そのほか、賃貸物件を契約する際には敷金や礼金、仲介手数料などの初期費用が発生します。事前に総額を見積もり、資金計画に織り込んでおきましょう。
賃貸への住み替えは、短期間で次の住まいを確保できる柔軟性が魅力ですが、初期費用もそれなりにかかるため、計画的に資金を準備する必要があります。
引っ越し費用の目安と削減術
引っ越し費用は、主に新居までの距離と荷物の量によって変動します。同じ市内での引っ越しは数万円程度です。一方で県をまたぐなど遠方の場合は10万円以上かかることもあります。
さらに、家財道具を運ぶためにどの大きさのトラックを使うかによっても金額が変動します。家具や家電の量が多いほど大きなトラックが必要になり、引っ越し費用もかさむため、不要なものは事前に処分しておくのがおすすめです。
加えて、引っ越し時期も費用に影響します。入社・入学・転勤などが多い繁忙期(3月~4月)は料金が高騰するため要注意です。春先の時期を避けることで費用を抑えられます。
引っ越し費用を節約するためには、複数の引っ越し業者に見積もりを依頼し、料金を比較するとよいでしょう。また、不用品の処分を進めることで、荷物量を減らして費用を削減できます。さらに、一部の荷物は自分で運ぶ「部分的な業者利用」も効果的です。
よくある不安とその解決策【Q&A形式】
ここからは、ローン中の家の売却について、よくある質問をQ&A形式で解説します。特に「売却失敗時のリスク」「離婚や共有名義の物件を売却する際の手続き」「ローン残高が多い場合の注意点」といったポイントについて、具体的な解決策を提示します。
Q1. 売却に失敗した場合のリスクは?
家の売却が思うように進まないと、例として以下のようなリスクが生じる可能性があります。
ローン返済の継続
売却が遅れると、遅れた期間に応じて住宅ローンの返済を続ける必要があります。特に、新しい家を購入して二重ローンの状態になってしまうと、家計への負担が大きくなるため要注意です。
売却価格の下落
時間が経つにつれて住宅市場の状況が変わり、売却価格が下がる可能性もあります。売り出してもなかなか売れない場合は、まず売り出し価格を見直してみるとよいでしょう。
維持費の増加
家を長期間保持していると、固定資産税や維持費がかさんでいきます。特に空き家状態になってしまうと、固定資産税が上がるリスクが出てくるため要注意です。
解決策としては、不動産会社との定期的な打ち合わせや販売戦略の見直しなどが挙げられます。また、任意売却や住み替えローンといった選択肢も検討するとよいでしょう。
Q2. 離婚や共有名義の場合の売却手続きは?
離婚して共有名義の物件を売却する際には、単独名義の家を売るよりも手続きが複雑になります。まず、共有名義の物件を売却する場合は名義人全員の同意が必要です。
また、離婚による売却の場合は、家の売却益をどのように分けるか決める必要があります。これには、弁護士や専門家のアドバイスを受けることが有効です。
そのほか、片方の名義を外す手続きなどを要する場合もあります。売り出す前に弁護士や専門家のアドバイスを得ながら話し合いを重ね、細かいポイントまで合意しておくことが必要です。
Q3.ローン残高が多い場合の注意点は?
ローンの残高が多いと、家を売っても売却代金だけでローンを完済できないことがあります。このような場合には以下のポイントに注意して進めましょう。
残高と売却価格の差額を把握する
売却価格がローンの残高を下回る場合は、不足額がいくらなのか正確に把握することが重要です。不足額を把握することで、初めて自己資金やほかの借り入れで補填可能かを判断できます。
任意売却を検討する
金融機関の同意を得て任意売却を進めれば、競売を避けて売却できます。ただし、信用情報に記録が残り、その後のローンの借り入れやクレジットカードの作成などに影響を与える場合もあるため、事前にリスクを確認してください。
住み替えローンを利用する
不足分を補いながら新しい住まいを購入する場合、住み替えローンが有効な選択肢となることがあります。この場合、審査条件や金利について事前に金融機関へ相談しましょう。
ローン中の家を高く売るための実践的なコツ
ローン中の家を売却する際「できるだけ高く売りたい」と考えるのは当然といえるでしょう。高値売却を実現するためには、買主に好印象を与える工夫や、価格交渉を有利に進めるための準備が必要不可欠です。
内覧時に好印象を与える準備とは
内覧は購入希望者が物件を直接確認する重要な機会です。このタイミングで好印象を与えられるかによって高値売却の成否が決まります。
家全体を掃除して生活感を抑えることで、購入希望者が物件に好印象を抱きやすくなります。特に水回りや窓、玄関といった目立つ箇所は重点的に清掃しましょう。
また、電球を明るい色調に変更したり、内覧の当日にカーテンを開けて自然光を取り入れたりすることで、部屋を広く明るく見せられます。
そのほか、悪臭や雑音はマイナスの印象につながるため、消臭剤を使用したり、静かな環境を整えたりすることが重要です。物件全体が心地よい空間であると印象づけることが高値売却につながります。
価格交渉で有利になるためのポイント
購入希望者との価格交渉は売却価格を左右する重要な場面です。交渉の際には以下のポイントを押さえておきましょう。
交渉に備えた事前準備
価格交渉の前に、近隣で売り出されている類似物件の売却価格や市場動向を把握しておきましょう。これらの情報を把握できていると価格設定の根拠が明確になり、説得力を持った交渉が可能になります。
最低ラインを明確にする
事前に譲れない価格のラインを設定しておくことで、交渉が難航しても冷静に対応できます。柔軟性を持ちつつも、売主としての条件を守ることが重要です。
購入者の立場を考慮する
購入希望者が交渉を持ちかける理由を理解し、妥協点を見つける姿勢が信頼関係を築く鍵となります。価格以外の条件(引き渡し時期や家具の譲渡など)を提案することも有効です。
ローン中の家を売るのであればグラングッド不動産にご相談ください
グラングッド不動産では、売主様の立場に立った透明性の高いサービスを提供しています。ローン返済中の家を売却した実績も豊富に持っているほか、エリアの最新取引事例や価格動向を生かした適正価格での売却をサポートします。
具体的なサービスの特徴として、以下の3点が挙げられます。まず、宅地建物取引士や相続診断士による専門的なアドバイスの提供です。相続・贈与・空き家の処分など、さまざまな不動産に関する課題に対してワンストップでサポートしています。
次に、充実した情報発信力です。自社ウェブサイトはもちろん、大手不動産ポータルサイトへの無料掲載により、3,000件以上の物件情報を発信しています。地域密着型の不動産会社でありながら幅広い購入層へのアプローチが可能です。
さらに、取引完了後のアフターフォローまで一貫したサポート体制を整えています。売却後に発生する可能性のある諸手続きについても、専門家による適切なアドバイスを提供します。
実際の成約者様からは93.3%という高い満足度を得ており、特に地域の実情を熟知した提案力には定評があります。ご売却をお考えの方は、まずは無料査定・相談からお気軽にご利用ください。
まとめ
抵当権の抹消やローン残高との兼ね合いなど、抑えるべきポイントが複数あるものの、正しい手順を踏めば、ローン中の家を売却することは可能です。
売却プロセスの全体像を理解してから、不動産会社の選定と査定を慎重に進めることで、スムーズに売却を進められます。また、オーバーローンの際には自己資金や住み替えローン、任意売却といった選択肢を柔軟に検討することが重要です。
不動産会社や金融機関と相談しながら進めれば、より安心して売却活動に取り組めるでしょう。